志摩尾鷲熊野でアジ アオリ シーバスを追いかけて

三重県伊勢志摩尾鷲熊野を中心にアジングエギングシーバスヒラスズキ青物ハタショアマダイ果てはサツキマスまで釣りとハンドメイドルアー製作ブログです。

紀伊長島 尾鷲 バチ抜け調査

今年も早いものでもう3月。
この季節と言えば渓流魚、この地方ではアマゴ、サツキマスの解禁と言うことで自分も例年ならそちらを血眼になって追いかけているのですが今年は暖冬の影響もあってか一足早く2月に解禁を迎えた九頭竜川のサクラマスも不漁と言う話で今一足が向かない状況。

そんな中でシーバスアングラーから伊勢湾内河川のバチ抜けの話を耳にする事がありそう言えばバチ抜けシーバスも長いことやってないなと釣り欲をそそられ少し時期が遅いながらも久々に行ってみる事に。

以前シーバスにはまって狙っていた頃は伊勢湾内の津市や松阪、伊勢の河川、五ヶ所湾をメインにしていてバチ抜けもこれらのエリアで狙う事が多かったのですが他の釣りものの豊富さと海と緑の綺麗さに魅せられメインフィールドを紀東方面、紀伊長島から熊野に移した事もありどうせならあまりやっていないこのエリアのバチ抜けを調査がてら狙ってみようと毎度のごとく42号線を一気に南下、一路紀伊長島へ。

フィールドへ到着したのは午後10時過ぎ。
潮周りは中潮の干潮からの上げ45cm。
満潮は明け方の午前4時過ぎに132cmとバチ抜けをパターンにして狙うには条件は良くないがそうそう釣行のタイミングを選べない身の上なので仕方のない所。

五ヶ所湾で例年釣れていた時期よりも半月程遅いし大潮のようなバチ抜けフィーバーは期待できないが全てのバチが一斉に抜けてしまう訳ではないようなので何とかなるだろうと以前バチを確認出来た堤防や漁港を見て回るが確認出来るのはマイクロベイトとトウゴロウイワシばかり。

恐らくバチパターンなんて関係なくマイクロベイトパターンで河川下流をやれば魚を出すことは出来るのだろうけど今回のお目当てはあくまでバチ抜けシーバス。

通いなれた河川のマイクロベイトパターンは捨ててバチが抜けていそうな場所を求めて移動。

二ヶ所三ヶ所と思い当たるポイントを見て回りながら南下し三ヶ所目。
ようやく単発だがバチが確認出来るポイントを発見。
ロケーションも五ヶ所湾でバチ抜けパターンで通っていたポイントと似ていて期待できそう。

まずは護岸沿いの照明が効いている明暗をバチ抜けパターンでも鉄板のフィール75でチェック。

水深はあっても2m程なので着水後すぐにラインスラッグを回収しトレースラインをコントロール。
カウントせずにスローリトリーブしてくる。

可能性がありそうだけど補食音もライズもないしどうかな
・・と考えながら巻いていると明暗の切れ目を過ぎた辺りで「クンッ」とバイト!
残念ながら油断していたので反応出来なかったのもあるがショートバイトで乗せられなかったがとりあえず反応はあり。
ルアーの後ろに魚がチェイスしてきていないのを確認して回収、すぐさまキャストし再び同じトレースラインを通すとまたもや明暗辺りで「ゴンッ」とバイト!!
これは確実にシーバスだろうとテンションを確認しながらスィープにフッキングするとすぐさまガバガバガバッとエラ洗い。
アフターの魚にしては元気な抵抗を見せて良く走る。
ミッドナイトジェッティ86SRにPE0.6号、リーダー2号の組み合わせなのでロープやカキガラで根ズレしないようにあまりドラグを出さずに寄せてくるが正直こんなにすぐ反応があるとは思っていなくてランディングネットは車の中。

水面まで1mないくらいだし最悪フィールのフックが伸びてバレるだけだろうと一気に抜き上げ。

尾鷲 バチ抜け

サイズは50cm位と大きくはないが産卵後の魚にしては痩せてなくキレイ、産卵に参加していたならかなり回復の進んだ魚。
場荒れするのであまり近くにリリースしたくない為かなり歩いて遠くでリリース。
すぐにもとの場所に戻り次を狙う。

バチパターンにはまっていれば食い気のある群れがある程度入っていてバイトが続くはず。

同じ明暗沿いに少しトレースコースをずらしてアプローチ。
先ほどと同じように明暗を過ぎた当たりで再び「クンッ」とバイト!
またもやショートバイトでフッキング出来なかったが魚を抜いたすぐ後に立て続けての反応。
これはかなりスイッチが入っている群れがいる様子。

時合いを逃さないように間髪いれずにキャストを繰り返すと2投程で「ゴンッ」としっかりとしたバイトで今度はしっかりとフッキング。

サイズは先程と同じ位の50cm前後でやはりそれなりのサイズの群れが入っていると考えて良さそう。
場荒れを避ける為一気に寄せて抜き上げランディング。
今度もフックが伸びることなく無事成功。

それにしてもMLクラスのセミファストテーパーのロッドとは思えないセブンセンスSRミッドナイトジェッティ86湾岸カスタムのこの程度のサイズが相手なら抜き上げにも全く不安を感じさせないブランクスには驚かされる。
フックが伸びなかったり0.6号のピットブル12と2号リーダーが限界を超えなければまだまだ上のサイズ、60cm近くてもいけそうな気までさせられる。

手早く遠くにリリースして3匹目を狙うとさすがに同じトレースコースは狙いすぎたのかバイトが遠退いたが少し立ち位置を変えてトレースコースをずらしてアプローチするとショートバイトで乗らない事も多いが飽きない程度に「コンッ」とバイトが続く。

更に同サイズと少しサイズアップの60cmクラスを抜き上げランディングでフックオフしてしまってからは一気にバイトの間隔が開いてきたがまだまだ粘れば数は伸ばせそうな雰囲気。

同じポイントでこれだけそれなりの魚とバイトが続けばパターンにはまっていると言えると思うが気になるのはバチを吐き出していないと言う事。

バチ抜けでバチを大量に偏食している魚は持ち帰ったものならば気持ち悪いほどクーラーがバチまみれになる事がある程なのでこれがバチパターンなのかと言えば微妙な所。

個人的にこの地方の初冬から春にかけてのベイトはシラウオやハクや稚鮎(氷魚)が多くパターン的にもこれらにアジャストさせたマイクロベイトパターンの実績が高いのでここの魚も結局バチではなくシラスやシラウオやハクを偏食しているマイクロベイトパターンなのではないかと言う疑いが拭えない。

両方のパターン共にナイトゲームでシーバス狙いに使うルアーは小型のミノーやスリム系のミノー、小型のシンキングペンシルやワームと合わせるカラーやリトリーブスピードに多少の違いがあれど基本的には共通していて共用も出来るのも判断を難しくしている。

少し場を休めてから入り直してレンジは変えずに波動の大きい大型のミノーやバイブレーションを入れてみたりして反応を確かめると言う手もあるが余程スイッチが入っていて食い気のある状態じゃない限り一気に魚をスレさせてしまう可能性もあり調査の答え合わせの為とは言え躊躇してしまうところ。

ぶっちゃけ釣れてるんだから余計な事しなくてもと言う心理も働いて止めとこうと思ったもののこれではいつも通り釣って終わりだと実行してみる事に。

場を休めがてら帰りの事も考え2時間程仮眠を取り時間は午前3時を回った位。
潮位は満潮まで後約一時間と言う上げ125cm程。

最後にシーバスを釣ってから40cm程水位が上がっているので魚の位置が変わっている可能性もあるので魚を探す意味も含めてまずは先程まで釣れていたフィール75でパターンの再現を試みる。

しかし3投も連発していた全く同じ立ち位置で同じトレースコースを横切らせるもバイトが出ない。
やはり魚が移動しているかもしくはスイッチが入っていないか。
今度は潮が満ちた分シャロー側を打てる場所に立ち位置を取り同じように明暗の切れ目にアプローチしてみる。

すると1投目から「グンッ」と欲しかったバイト!
リーダーをフロロの2号からナイロンの2号にしたのが幸いしたのかしっかりと吸い込んでくれたようでフッキング成功。
重さの割に突っ込みもエラ洗いもおとなしめの魚だなと思いながら寄せてくると少し奇形の魚。
サイズは60後半はありそうなので今度はしっかりと持ち歩いたランディングネットを使いランディング。

奇形 シーバス

昔伊勢湾岸では釣った事があるがこの地方でははじめてで珍しい。
正常な個体よりも補食も下手で生存確率も低いだろうにこのサイズまでよく育ったものだ。
なるべく弱らないようにすぐに同じ場所へリリース。

続けて数投で50cm程のを追加。
パターンの再現は出来たと言う事にして遂に強めの波動のルアーの投入を実行。
シャローレンジを引けてバチに使うにしては大きくアクションの派手なショアラインシャイナーセットアッパー125Sを着水音で警戒心を与えないようにロングキャストしてヒットゾーンの明暗沿いまで泳がせてくる。

バチやマイクロベイトを偏食しる訳ではなく食い気がたっている群れと言うなら秋のイワシ系の大きめのベイトのパターンの時のように派手に食ってくるはずだがやはりそれは無い模様。
予想は出来ていたが何度通しても立ち位置を変えて少しずつポイントをずらしていってもカスリもせずあれほどあったバイトが嘘のように出ない。

後は元のルアーに戻して魚を出せたらとりあえずはバチもしくはマイクロベイトパターンは成立と言える。

正直場荒れさせてスレさせていないかが心配ではあるが再びフィール75へ戻してアプローチ。
釣れていたパターンを再び再現させようとセットアッパーで荒らしまわった明暗をトレースしてくる。
しかし思いとは裏腹に一向に魚からの反応は無く更にトレースコースを変えて攻めるもののノーバイト。

やはり魚を散らしてしまったかスレさせてしまったか。
もうすぐ満潮を迎えるタイミングなので再びポイントを休ませ上げ止まりからの下げに照準を定める事に。

下げ潮が効き始めるまで近くの潮通しの良い船着き場を確認しに行くと明暗で時折補食をするシーバスを発見。
水面にバチは確認出来ないがシラスは時折泳いでくるから恐らくベイトはそれ。
やはり釣れていたあのシーバス達もマイクロベイトパターンの可能性のが高いのかもしれないと思いながらフィールを明暗沿いにキャストして沿うように早めにリトリーブしてくると「バシャッ」と一撃でバイト。
残念ながらフィールは口のなかに吸い込まれずに宙を舞ってしまったが反応は上々。

少し離れた同じような明暗を攻めると今度は食いはしないがチェイスしてくる。
ここもスイッチが入っている訳ではないがそれなりに食い気のある魚が入っている様子。
ここも無駄にスレさせないように下げはじめて潮が動くのを待って狙ってみる事に。

空が薄明るくなるまで後一時間程の午前4時30分ようやく潮が下げ始めたタイミングで再アプローチ開始。

残念ながら期待したほど潮が動く潮周りではなかったので劇的な変化はないものの魚の活性は上がっているようでバシャッと言う補食音が明暗のどこかしらから聞こえてくる。

先程吹き飛ばされたフィール75で再度明暗をリトリーブしてくるがタイミングを見計らったかい無く立ち位置を変えながら3投してもチェイスがあるだけで食いきらない。
ルアーを更にシルエットの小さいキャロットへ変更してみるもチェイスさえも見られず不発。

l字系のセイラミノーかクリア系のバイブレーションかローリングミノーの早引きか・・・と迷ったものの中途半端に試してプレッシャーをかけたくもない。

一気に奥の手のフィネスの釣りにシフトする事に。
明暗に着いているシーバスに無理やり反射で食わせるのによくやるメバルタックルでの軽量ジグヘッド+ストレートワームの高速巻き。

自分の経験上アジ、メバル用ダート系ジグヘッドでのワインドと並ぶシーバス狙いとしては邪道な手ではあるが夜明けまで時間が無く潮流や雨風での波立も期待出来ないとなれば仕方ない。

バシャッっと言うシーバスの補食に合わせてキャストし明暗を逃げ惑うシラスに見立てて時々細かくシェイキングを入れながら水面直下を高速巻きしてくる。

すると狙いどおり「バシャッ」と言う補食音と共ににティップが絞り込まれる。
メバルタックルのフィネッツァにPE0.4号、リーダー0.8号の組み合わせなので合わせ切れしないようにスィープにフッキングを入れて何度かドラグを出しながら走らせ弱らせ
てからネットへ誘導しランディング。

紀伊長島 バチ抜け シーバス

サイズは72cm程だが湾口の潮通しの良い所の魚らしくこの時期にしては肉付きも悪くなく綺麗な魚。
勢いよく吸い込んだようで喉奥にフッキング。
リーダーが歯に擦れて危ない所だった。

ジグ単 シーバス

なかなか針が外れず弱ってしまった為どうせならと香草焼き用にお持ち帰り。
血抜きしてエラと内蔵を処理している間に時間がなくなってきたので急いで休ませていた前のポイントへ戻り最後の調査。

再びフィールを結んであるシーバスタックルに持ちかけて照明の途切れる明暗を攻める。

立ち位置を変えながら明暗沿いをトレースしていく事数投、一番最初に魚を連発したポジションで「ゴンッ」と深めのバイトがはいり待望のヒット。
派手にエラ洗いとジャンプを繰り返す魚は先程のメバルタックルで捕った魚よりは小さいものの65cmはあるだろうと言うグッドサイズ。
ネットでランディングしようと誘導している最中に不意を突かれ最後のエラ洗いを見せフィールのフックがネットに引っ掛かりまさかのフックオフ。
何とか魚体をネットに納めようとしたものの惜しくもいぶし銀の良型の魚はスルリとネットを交わして水中へ。

帰りの時間的にも最後の一匹。
何とか捕りたかったのだが残念。
期待の膨らむ朝マズメを控えた海に後ろ髪を引かれながらストップフィッシングとなりました。

結局この日のバチ抜けシーバス調査は反応の良かったルアーと確認出来たベイトから言って確実にバチパターンと言える結果は得られずじまいでした。
正直バチと言うよりマイクロベイトパターンだったと言うのが本当の所だった可能性のが高い。
例年通りでも年始から2月にバチを見ていたので恐らく今年は暖冬、高水温の影響もあってこの地方の大規模なバチ抜けはもう終わっている可能性が高いので今回の答え合わせは来年に持ち越しになるかもしれません。

今回の釣行で得られた教訓はやはり魚は釣れる時に釣れですね。