志摩尾鷲熊野でアジ アオリ シーバスを追いかけて

三重県伊勢志摩尾鷲熊野を中心にアジングエギングシーバスヒラスズキ青物ハタショアマダイ果てはサツキマスまで釣りとハンドメイドルアー製作ブログです。

新宮 サーフ シーバス ヒラメ釣行 熊野川河口 大浜

毎年、12月から2月にかけて尾鷲、熊野、和歌山の南紀では中、大型青物と並んで狙われる事の多いターゲットがヒラメ。

急深で黒潮の影響が強いこの地方では他の地方より水温の下降が緩やかで比較的遅めにシーズンが進む。

そんな訳で一般には11月からスタートする晩秋のサーフヒラメゲームだが自分の場合は大型が期待できるようになるこの地方の水温が20℃を下回る12月の初冬からがシーズンイン。

季節が季節だけに青物やヒラメだけでなくヒラスズキアオリイカと他にも魅力的なターゲットが多く迷いながらもヒラメ、砂ヒラ狙いの釣行へ行ってきました。

年の瀬も差し迫る中、訪れたのは三重県七里御浜和歌山県新宮市の大浜を隔てる熊野川河口。
中潮の下げ四分(90㎝~)、まずはナイトゲームでのリバーヒラスズキ、砂ヒラ狙いでスタート。

新宮、熊野川の夜景

ポツポツと灯りで水面を照らしながら網を片手に微動だにせずまるで水鏡に写る自分とらめっこしているかの様なシラスウナギ捕りの人達を横目に目当てのポイントになる河川最河口部へ。
度重なる川の氾濫によって堆積した土砂とそれを押し戻す外洋からの強く分厚い波によって形成された尻すぼみな形の河口部はまるで天然のダムの様で海への注ぎ口となる最河口部へ向かうにつれて流れも強くなる。
ましてタイミング的に下げの時間帯、当然狙いのポイントのひとつになりやすい。

先行者の存在は覚悟の上で向かったもののやはり目指す先にはヘッドライトの光がポツリポツリと。
仕事場からの距離的に早い時間には入れずあえて遅がけの23時を回ってからエントリーしたのだが仕方がない。
一先ず最河口部は諦め河川内からチェックしていく事に。

この時期の河口部のベイトとしてはシラスウナギ、稚アユ等のマイクロベイトが有名。
勿論トウゴロウイワシやイナッコと言ったそれなりに大きいサイズのベイトもいるがやはりこの時期のマイクロベイトパターンは外せない。
まずはそれらを意識し岸際のシャローやブレイクにさしてきている魚を想定して表層からサブサーフェイスをスローにアプローチ出来るフィール100を選択。

シラスをイメージし引き波を立てさせながら下げ潮によって水位の低くなったシャローエリアからのブレイクと急深のショアラインを中心に探るが
バイトは無い。

少しレンジを下げる為にガルバスリム80Sに交換、シャローエリアからのブレイクをロングキャスト性能を生かし立ち位置も変えてアプローチ。
先程はドリフト気味に流入のシャローを流したが今度はダウン気味にキャストしアップ気味にブレイクラインを横切らせるがこちらもバイトは得られず不発。

予想していたヒラセイゴはおろかマルセイゴの反応もないのはここのところの急激な冷え込みのせいなのか・・。
通い詰めれてないフィールドだけあって答えは出ないが可能性を感じられるポイントをランガンするしかない。

見切りをつけて岸際のカケアガリと沖に流れる潮目を飛距離が出てシンペンよりも流れを感知しやすく水面直下、サブサーフェイスも探れるソラリア85Fのクリア系でアプローチしながら河口へと下っていく。

一通り岸際のブレイクラインをチェックし終えてバイトが出ないので今度は河口のミオ筋に沿ってに流れる潮目を目印に流れの効いているラインを重点的にチェックしていくがそれでも反応はない。

更に飛距離が出るマニックに変えて同様のレンジをアプローチするかルアーのサイズ感を大きくしてレンジを下げるか・・と迷っていたら最河口部に入っていた先行者が帰っていくのが見えた。

これは入らない手はないと最河口部へ。
対岸までの間隔が狭まり流れも水深もあるポイント。
引き続きマイクロベイトを意識して一先ずソラリア85Fで続けてアプローチする。
流芯から流れのヨレる岸際へ逃げるように流されるベイトを意識しながらややアップ気味にキャストしラインスラッグを取るくらいでドリフトさせていくが散々撃たれた後なのかバイトがない。

時間があればしばらくポイントを休ませるか回遊待ちをする所だがこのあと翌朝にはヒラスズキ、ヒラメ狙いをする予定で仮眠をとるためいかんせん時間がない。
恐らく攻められているであろう手前の流れとブレイクは見切りをつけて対岸寄りに見えている流芯付近に狙いを絞る事に。

一瞬、単純に飛距離を稼ぐ為にマニックやスタッガリンスイマーに変えようかと思ったがレンジが今までとほぼ変わらない上に今まで散々やったマイクロベイトパターン・・。
シンペンは恐らく先行者もやっていたと思われる事からあえて少し大きめのベイトを意識しながらも銀粉カラーがマイクロベイトの群れを思わせるショアラインシャイナーZバーティス120F SGコットンキャンディGBに変更。

流れの中をグリグリ巻いても釣れる時は釣れるが散々撃たれた後では魚を出せる気がしない。
対岸付近までフルキャストしラインスラッグを利用して狙いの流芯脇でU字を描かせステイ、流れを横断するようにほぼラインテンションだけで手前に誘導してくる。

立ち位置を変え同じ様に何度かトレースコースを変えてアプローチ、最河口部でも波と川の流れがぶつかり合う本命ポイントへミノーをドリフトさせ誘導していく。

海からの波によって押し戻された砂利と川の流れによって流された土砂で馬の瀬状のシャローと急なブレイクが形成されていかにもなポイント。
魚がついているならブレイク沿いのハズ。
流れに対して平行にドリフトさせ流れによるテンションが抜ける流れのヨレでスローに巻きはじめ波によって形成されたシャローに逃げ込むベイトを演出すると案の定「グッ、ゴンゴンッ!」とバイト。

すかさずフッキングを入れ流れに入られないようにシャローに差してくる波で寄せようとするがなかなかの走りを見せ流芯へ向かってドラグを出していく。
流れによる重さを鑑みてもまぁまぁいいサイズ。
ヒラスズキならもう少し首を振りエラ洗いをしてもいいものの何回か突っ込むだけで派手さがない。
マルっぽい事もあり強引に顔をこちらに向けシャローに誘導してズリ上げ。

熊野川、シーバス、ヒラスズキ


71㎝のマルスズキ。
やはりヒラスズキではなかったがミノーを丸飲みのやる気満々のバイトで喰ってきた産卵前らしい重量感のある良い魚。
ただ、余りに綺麗にバキュームされた為思いっきりエラとのどの奥にフッキングしていて出血とエラ破損でリリース不可能。
ヒラではないがキープする事に。

この時点で12時40分過ぎ、下げ7分(40㎝)。
翌朝の事を考えたら釣りが出来て後一時間程だがバイトの出方と言い活性の高い魚が他にもいる可能性がある。
釣友に場所を譲り魚の処理をし、翌朝入るポイントを下見がてら外洋側の新宮大浜海岸を軽くチェック。
狙いどころとしては河川側と同じだが恐らく競争率が高そう。
早めにポイントに入らないとキビシイだろうと先程釣ったポイントに戻り釣友と代わる代わる同じパターンでアプローチを繰り返すがすぐに反応が得られない為翌朝に備えて上がる事に。

軽く食事を済ませ車で仮眠を取る事3時間半。
翌朝5時30分に起床し準備を始めるが既に他のアングラーが続々とサーフへ歩いていく。
やはり朝マズメの夜明け前からタチウオやシーバス、夜明けからヒラメを狙う人が多い様子。
この分だと夜に下見したポイントには入れそうもないな・・と思いながらも負けじと砂利浜を歩くが予想通り良さげなポイントには先行者の姿が。

仕方無く空いていて離岸流が払いだしているポイントに陣取りショアラインシャイナーZバーティス120Fでアプローチを開始するがやはり人気のサーフ。
人が多くほぼ真っ直ぐしかアプローチ出来ない。

こう言う急深のサーフでミノーを使う場合、青物はまだしもシーバスやヒラメはほぼ手前、足元のブレイクで食ってくる。
勿論、中には沖目からチェイスして来て足元のカケアガリでバイトなんて事もあるが経験上、夜明け直前、直後のほとんどが足元のブレイクライン、離岸流の払い出しで待ち構えていてのヒットと言うパターンが多い様に感じるから仕方ないとは言え岸に沿って斜めにアプローチ出来ない状況はやはりもどかしい。

一通りトレース出来る岸際のブレイクラインと離岸流周りをチェックする・・が反応は無し。
移動が出来ない状況と言うこともあり同じコースを丁寧に探るべくもう一枚深いレンジを探れるアストレイア127F SSRに変更し更にチェック。
より離岸流を感じ取れより深いレンジをトレース出来ているが相変わらずバイトが無い。

レンジを更に下げるか手前に見えるマイクロベイトのサイズに合わせてルアーサイズを小さくするか迷あどころだったがいっそのことレンジもサイズも下げてみるかとショアラインシャイナーZ セットアッパー 97S-DR へ変更。
小粒ながら1.5m前後のレンジを流れの中でもバランスを崩さす泳ぎきるスイミング性能は堤防やボートゲームだけでなくサーフや流れの強い河川でも有効でよく通った他の急深サーフでのヒラメは勿論の事ボトム付近に張り付いたサツキマスにも有効だったルアー。

同じ様にキャスト可能なトレースコースを何度も通していると遂に薄暗かった水平線に太陽が登り始め瞬く間に周囲が明るくなる。

新宮、大浜海岸、夜明け、七里御浜

期待に膨らむ夜明けの一瞬の到来だったが思惑とは裏腹に周囲の海面をいくら凝視してもナブラやライズの一つも起こらず静まり返ったまま。
夜が明けてしまうとこの穏やかな海況ではヒラスズキは期待が薄いのはわかりきっていたが少なくともシーバスやヒラメ、青物のライズやモジリが出る可能性はあると践んでいたのにやはりそうそう思い通りには行かない様。

それでも念のためライズとナブラに備えてしばらくは周囲を観察しながら飛距離も出せるセットアッパーでキャストを繰り返すがそんな自分を横目に周囲に見えるアングラーはポツポツと竿を曲げている様子。
上がってくる魚はやはりヒラメとたまにシーバス。
ほとんどが皆リフトアンドフォールを繰り返している様子だったのでメインはヒラメ狙いなのだろう。

自分もこの朝マズメの時間帯に何とか釣っておきたいと狙いをヒラメに絞り丁寧にボトム付近を攻める為ハウルの21gへ変更しリフトアンドフォールでアプローチするが反応が得られないままスタック。
大小様々な石で形成された海底はヘッドが挟まり思いの外根掛かりが多くへヴィーウェイトのジグヘッドのロスト率は以外と高い。

ウェイトの軽いハウルは持っていないし鉄板も同様根掛かりやすい為見送り、浮き上がりやすい為根掛かりしにくくスローにリトリーブすればボトム上1mまでをトレース出来るジグスプーンに変更。

ジグスプーンと言えば最近はヒラメ用に2フックの物等もソルトメーカーで発表されているが自分が愛用しているのはもっぱらフィールドハンターのシーミッション、18gと28g。
元々山梨県に社を構えるトラウトルアーメーカーが海アメ、海サクラ等のビッグトラウト用に作ったジグスプーンだが特筆すべきはその絶妙な浮き上がり安さとスピードバンドが広く破綻しにくいウォブリングアクション。
ラパラから発表されているモアシルダよりも少し値は張るがより小粒で若干後方重心の為、飛距離も高くスイミングスピードにも自由度が大きく河口部でのサツキマス狙いやランドロックのサツキマス、レインボー狙いではボトム~表層まで多才な使い方が出来るので重宝している。

言わずもがなこの浮き上がりやすさとスピードバンドの広さはヒラメや青物狙いにも有効で必ずタックルボックスには忍ばせてあり、密かに7gに関しては尺、ギガアジ狙いでの実績も高い一品。
トラウトルアーと言うこともありほとんどトラウトが盛んな地域(東海三県では岐阜県)の店舗でしか置いていないがネットでは簡単に手に入るのでモアシルダは今一と言う人にはオススメ。

着低後しっかりとロッドを煽り底を切ってリトリーブ。
サツキマス用に段差仕様のダブルシングルフックへ交換してあるからトレブルフックよりも根掛かりの心配は少ないが手前に来るに従ってリーリングスピードを早めテンポ良くチェックしていく。

流石に散々キャストしたトレースラインだけあってレンジを下げてもそもそも魚がいないのでは?と移動を考え周囲を見渡すと先程ロッドを曲げていたアングラー一行が帰って行く。
既に一枚抜かれた後だが周辺には他のヒラメも入っている可能性があるかもと場所移動。
砂利浜と馬の瀬の起点だけあってカケアガリが強く払い出しも効いていて好感触。

何とか一枚でも掛けたい、隣のアングラーの邪魔にならない範囲で斜めにキャストし岸沿いの第一ブレイクを底を擦らないようにロッドを立てつつ斜めにトレースしてくる。
するとすぐに待望の「カッ」と言う硬質なバイト!
反射的にフッキングを入れるが一瞬重みが乗っただけでフッとテンションが軽くなる・・。
一瞬こっちに向かって泳いでいるのか?と思ったが
まさかのミスフッキング。
バイトの瞬間ついリーリングを止めてしまっていたのか余程のミスバイトだったのか一瞬の事でわからないが魚が針にかかってないないと言う事実だけが虚しくライン越しに伝わってくる。

経験上フッキングしていないとは言え同じヒラメが再びバイトしてくる可能性は低い。
目の前までチェイスしてきて確実に足元のカケアガリにいるにも関わらず釣れないなんて事も何度か。
かと思えば開始数投でいきなり足元のピックアップ寸前で水面まで跳ね上がりバイトしてくるなんて事もあったりもするものだから警戒心が強いのか弱いのか・・。
基本的に同じ魚を粘って口を使わせると言うのは海の魚相手には反射食い狙い以外は良い思いをしていないので気持ちを切り替え違うラインをアプローチするが不発。

若干後ろ髪をひかれつつも時間が早いうちに他の打てるポイントが空いてないか歩くと丁度昨夜シーバスを釣ったポイントが空いたので入る。

既に時間は8時前、深夜の下げ止りからの上げ8分(140㎝)と言う所。
満潮が9時過ぎと言うこともあり昨夜波を被りながらも一部姿を表していた馬の瀬は海中に沈み波が忙しなく立ち上がる浅瀬を作り出している。
下げ潮、上げ潮の違いはあれど狙い所はやはりここ。
馬の瀬のブレイクラインに張り付いて流芯もしくはシャローから行き来するベイトを待ち構えている魚。

フレッシュな状況なら昨夜同様ミノーを使って流芯から退避してくるベイトを演じてくるが今回も昨夜同様先行者が散々打った後。
恐らくミノーでは一通りチェックされた後だろうと使われてない可能性が高く馬の瀬のシャロー、ブレイクをスローにトレース出来るシンキングペンシルのジェットサーディンを選択。
巷ではぶっ飛び君のパクリとまで言われているこのシンペン、オリジナルよりも1g重量があるにも関わらず気持ち浮き上がり安く感じる為比較的浅いポイントや根掛かりがしやすいポイントでは重宝している。

まぁ値段が780円と手頃でロスト覚悟で色んな使い方が出来ると言うのが1番の理由ですが・・。

まずは流れに対してダウン気味にキャストしボトムを取ってから大きくリフトさせテンションを張りながらドリフトさせ流芯を流されながら流下するベイトをイメージしてアプローチ。
流芯を抜け馬の瀬のブレイクに差し掛かかったらアップでゆっくりとブレイクを斜めにトレースする。

何度か違う位置へキャストし立ち位置を変えてチェックしていくが流石にこのアプローチはハウル等のジグヘッドでも比較的軽いものを使えば可能性な為かバイトは出ない。

なら逆に馬の瀬のシャローから流芯側のブレイクへ横切るベイトをイメージしてやるか・・と馬の瀬を斜めに横切る様にキャストし着水と同時に早めにリーリング、浮き上がりやすいとは言え流石にときどきコツコツと石に接触してしまうがすぐにブレイクへとルアーが抜けてボトムを叩く感触がなくなり水流の抵抗で巻きが重くなる。

浮き上がりすぎないようにすぐに巻きスピードを落として馬の瀬のブレイク沿いを斜めに巻き上げてくると「ガッガッ」と硬質ないかにもヒラメと言ったバイト!
今度はしっかりとテンションを緩めずにフッキングし間髪を入れずに寄せてくる。
時折体をバタつかせながら抵抗し突っこみを見せるが大した重さは無くソゲかと思ったが波打ち際に引きずり上げてみると予想よりも長い。

新宮、大浜、ヒラメ、七里御浜

幼魚時に怪我をしたのか片側が若干スマートな形の魚。
計測42㎝と言うことでギリギリヒラメ?ソゲ?と言うサイズだが何とか引き出せた一枚。
この時期に狙っていたサイズではなかったが思い通りのポイントとパターンで獲れた納得の魚だった。

この後も一時間程周辺のポイントをアプローチするが残年ながら更なるサイズを出すことは出来ずタイムアップ。
この地方の有名釣具店南紀釣具センターへ立ち寄り帰路に着いた。


ヒラメ、スズキ、熊野、新宮