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月下美人 AJING 55UL-S インプレ アジング 実釣 レビュー

2020年発売されたハイコストパフォーマンスアジングロッド、ダイワ月下美人AJINGの実釣レビュー。
コルトUXやブルカレⅢとの比較も交えて書いてみたいと思います。

今回のインプレはコルトUXと並び破格のコストパフォーマンスを誇るダイワの20月下美人AJING。

インプレ対象はラインナップ中最もライトなモデルのこちら。

月下美人AJING 55UL-S

月下美人AJING インプレ

スペック

○標準全長(m):1.65
○継数(本):2
○仕舞(cm):86
○標準自重(g):55
○先径(mm):0.7
○元経(mm):7.4
○ルアー重量(g):0.3-5
○ラインナイロン(lb.):1-3
○PEライン(号):0.1-0.3
○カーボン含有率(%):94
○価格 (円) : 14000

●軽量なHVFブランクを搭載
●トップガイドのみSiCガイド(他はアルコナイトガイド)
●ティップはメガトップ(ダイワのソリッドティップ)
●オリジナルグリップ

穂先にはダイワ特製のソリッドティップ、メガトップを搭載、無駄なレジンを減らした軽量で筋肉質な高密度HVFカーボンシートを使用したブランクス。


20年以上前ならハイミドル、ここ10年程ならミドルクラスの月下美人MX辺りから採用していたマテリアルを実売10000円前後の入門モデルに惜しげもなく搭載したハイコストパフォーマンスロッド。

その代わりに他で原価を押さえる為かガイドリング素材をトップガイドのSicリング以外アルコナイトリングにしたりとコストカットの跡が見受けられるのは仕方がないとは言え惜しいところ。

と言ってもアメリカ等海外のロッドではSicやトルザイトよりアルコナイトが主流と言う話もあるし実際USダイワのバスのハイブランド、スティーズのロッドにも使われていたりとSicに比べて実釣上大きく性能が落ちると言う訳では無さそうなので問題無いのかもしれません。

が、日本では10000円以上のロッドにはSicは標準と言ってもいい位当たり前に搭載されているので他社の同価格帯のSic搭載モデルと比較するとやはり気になるところ。

そこのところも込みで実際の使用感をレビューしてみたいと思います。

月下美人アジング レビュー


○キャスト、飛距離

メーカーHPの紹介にもありますがガイドリング径はアジングロッドとしては大口径なものが使用されていて糸抜けは上々。

アルコナイト製リングの滑りに違和感を感じるかと思いましたがリング径が大きい事も手伝ってかSicリング搭載のコルトUXと比べて飛距離が落ちるとかは無く問題無し。

むしろ大きいリング径とティップのソリッドとチューブラーの継ぎを感じさせずにスムーズに曲がるベリーのおかげでリリースバンドが広くラフなキャストでも良く飛んでくれる。

アジングロッドに多いエクストラファストテーパーやファストテーパーのソリッドティップロッドと言うよりファストテーパーのチューブラーロッドのような感覚でアジング初心者でも扱いやすく好感触。

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○操作性、感度


使いやすいジグヘッドウェイトは軽すぎず重すぎずの1.3g前後~2gまで。

ロッドバランスはフォアグリップ先端よりも先で少し先重り気味。

セットするリール次第の部分もあるがやはりアルコナイトガイドの重量が効いている感じでロッドを立てての操作では薬指と小指で挟んだほうがやりやすい。

ピンとした操作性と詠われているがブランクス自体は特別高弾性でシャキッとしたブランクスではなく粘りのあるしっとりとしたどちらかと言えば中弾性のイメージ(従来のHVFらしい感触)でソリッドティップも特別高弾性なハードソリッドでは無い感触でローテーパー。

飛距離のところでも書いたように最近のソリッドティップのアジングロッドにしては緩やかなテーパーデザインのファストテーパーの為、1g以下の軽量ジグヘッド単体の繊細な操作に特別優れているわけでは無い。

かと言ってMAXウェイト寄りのウェイトの操作感が高いかと言うと負荷に対してベリーも通り越して徐々に曲がる感触の為こちらも特別優れているわけではない。

ですが、カタログスペックの広い適性ルアーウェイト0.3~5g通りどちらかに突出した操作性能は持ち合わせていないかわりに満点ではないがどちらも適度に使えると言う汎用性に優れる仕様。

広いルアーウェイトを縦の釣り、横の釣りどちらにも十分に使える使用感は入門モデルと考えるとグッド。

感度に関しても必要にして十分ではあるが上記の通りそこまでシャキッとしたソリッド、チューブラーのブランクスでは無い上に口径の大き目の重いアルコナイトリングのせいかコルトUXやブルカレⅢに比べると鈍く感じる。


○パワー、ランディング


自重55gを実現する為に軽量化で薄く仕上げられているはずのブランクスだが適度にレジンを残した粘りのあるHVFのおかげで不意の大物とのファイトや抜き上げでも安心感がある。

コルトUXと比べると負荷に対して素直にベリーからバッドまで曲がり込んでくれるので尺以上のアジやシーバスの急な突っ込みを柔軟に逃がしてくれる為、ギリギリのセッティングのラインシステムでドラグの調整をミスっていてもラインブレイクや口切れを起こしにくい。


○まとめ


実売10000円を切ることもある価格で手に入るアジングロッドとしては自重も50g台と軽く感度、操作性、飛距離、パワーも納得の性能でコストパフォーマンスに優れる一本。

5000円前後のロッドはもちろん10000円以下の入門モデルや一昔前のローミドルモデルと比べても遜色の無い性能でコルトUXと並んで初めてのアジングロッドやサブロッドとして十分オススメ出来る。


月下美人AJING 55UL-S レビュー


コストカットの影響でか搭載されているアルコナイトリングのガイドは短時間の使用の為、耐久面への評価は出来ていないがアジを釣る分には問題は無さそう。

問題は0.2号以下と言う極細な上に熱に弱いPEやエステルラインでの大物とのやり取りですがその辺は問題があったらまたレビューしたいと思います。