志摩尾鷲熊野でアジ アオリ シーバスを追いかけて

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宇崎日進 アレス ARES DREAMS 夢追 TORZITE RV 906ML インプレ

今回のロッドインプレはこのブログでは初となるシーバス、ショアキャスティング用ロッド。
その中でもなかなかマイナーなロッド、宇崎日進のARESDREAMS 夢追 TORZITE RV。

宇崎日進は磯竿やエギングロッドでは使っている人の話を聞いたことがあったのですがショアキャスティングロッドは周りに使っている人はおらずネットでの情報もほとんど無いと言う有様。

しかし磯竿ではがまかつと比較されることもあるメーカーでエギングロッドに至っても発売当初、少々マニアックなスローテーパーデザインながら全身に4軸カーボンをふんだんに使い柔らかいながらもシャッキっとした調子のそのロッド郡は一部のエギンガーに絶大な支持を得て後の他メーカーのエギングロッドにも影響を与えたとか。

そんな話を聞いたからには一度は使ってみたいなと思っていた宇崎日進のアレス。
エギングロッドではないものの調度欲しかったシーバス、ショアキャスティング用ロッドの夢追が目に留まる機会があったので購入してみましたが・・。


アレス夢追トルザイト RV 906ML

まずはスペックから。


アレス DREAMS 夢追 TORZITE RV DRYO-RV906ML

・全長:2.90m
・継数:2本
・仕舞寸法:149cm
・自重:145g
・先径:1.5mm
・元径:11.6mm
・Lure:7~35g
・適合ライン8~16lb
・全身高密度4軸カーボン
・オールチタンフレームトルザイトガイド
・LGTT&RVガイドオリジナルコンビネーションセ  ッテイング
・ジョイント合わせマーカー付
・印籠継
・日本製
・75000円


全身高密度4軸カーボンと言うのは同じ4軸カーボンで有名なグラファイトリーダーのロッドで経験済みなので珍しい物でもないのですが特筆すべきはそのロッド径、テーパーデザインとガイド構成。

9フィート6インチMLパワー表記のロッドにしては先径が1.5㎜、元径11.6㎜と他メーカーのロッドに比べて明らかに細いブランク。

先径が細いけど元径も細い為テーパーは9.6と言う定番レングスから見てもレギュラーファスト(ミディアムファスト)気味の定番テーパーだろうなと思っていたのですが実際は予想に反してかなりファスト気味のRF(MF)と言うかもうファストテーパー。

しかも全体に細く仕上げられている為か145gと言う軽量な自重の割りにブランクは薄い感じは無くかなりしっかりと感じられてシャッキとした感触を通り越してもはや棒?w

ダイワのモアザンともダイコーのタイドマークとも違うどっしりとした張りの強さと言いましょうか。
正直9.6フィートで145gと言う自重の割には細いのに重く、硬く感じられます。
これはバッド径が太いのに薄巻きのブランクの為見た目より軽く感じられる最近のロッドと正反対の印象ですね。

そしてロッド径よりもまず目につくのはガイド。
ロッド名にも記されている程の特徴と言う事でしょうか?
シーバス、ショアキャスティングロッドにしては珍しいRVガイドを搭載しているところですね。

一昔前、Kガイドが登場する前のエギングロッドではリバースガイドは当たり前の仕様でしたがここ最近では珍しい。
と言ってもこのリバースガイドは富士の最新のガイドの様でトルザイトリングのフランジ形状仕様。
はじめて使用するガイド構成なのでライントラブルと飛距離にどう影響するのか楽しみな所でしたが結果から言うと・・・?

そもそもバッドのチョークガイドやティップセクションのチョークガイドなんてKガイドはおろか昔のYガイドでさえラインメンディングしていればそうそうPEが絡む事なんてないし実感がないと言うのが正直な所。

まぁ言える事は風速5メーターとかの向かい風で釣りをする事になる事もあるこれからの初冬の鉄板デイシーバスやヒラや青物のサーフ、ロックショア釣行では安心感が上がると言う所でしょうか。


と言うことで次は実釣を経ての使用感を紹介。


・キャストフィール、飛距離


適合ルアーウェイト7~35g表記でMLパワー。
MIN7gのルアーとしてスーサン、セイラミノーをキャストした感じとしては当然ながらキャスト出来るが軽すぎてしっかりロッドを曲げるのが難しい。

バックスイングをしっかり行いベリーに荷重を乗せて打ち出すようにキャストすれば飛ぶがロッドのパワーと張りの太いブランクにウェイトが負けていてリリースポイントがシビア。
MIN重量のルアーは使えるがメインでの使用では無く緊急時やフォローとして使う程度と捉えたら可。

次にコモモ110やソラリア85F、TKLM90等の11~15g前後のルアー。
これ位のウェイトになってくるとバックスイング時に荷重がベリーに乗りやすくなりリリースポイントにも余裕が出てきてキャストしやすくなる。
勿論テーパーデザインと張りの太いブランクのおかげで一般的なテーパーデザイン、MLパワーのロッドよりもピーキーで飛距離を出すにはコツがいるがしっかりとベリーを曲げフォアグリップでフォローを入れるようにすれば失速せず矢のように飛ばせれる。

そしてこのロッドの適合ルアーウェイトの中間、16~20g前後のショアラインシャイナーZバーティス120Fやサスケ烈波120等や適合ルアーウェイトの後半、20gから28gまでのバーティス140等の大型ミノー、ヘビーショットやぶっ飛び君等のヘビーシンキングペンシルへの適応。

まさしくこのウェイトレンジのプラグがこのロッドの適合ルアーウェイトの大本命。
ルアー自体の重さがあるのでそれほど力を入れずともベリーが仕事をしてくれて軽量ルアーよりも明らかに簡単に飛ばせれる。
もちろん安定したロングキャストをするにはしっかりとロッドを振って曲げ、リリースポイントを見極めフォローを入れる事が必要なのは変わらないがキャストが決まればラインが高切れしたのかと錯覚するような抜けの良いキャスト感でぶっ飛ぶ。
自分の使った中の96レングス前後では頭ひとつ出るかも知れない飛距離。

最後に適合ルアーウェイトMAXの35g前後のキャスト感。
28gの鉄板、28g~40gのメタルジグを使用したが30gまでの鉄板、メタルジグは言うまでも無く快適にキャスト可。
テーパーデザインだけにキャストに気を使う事は変わり無いがこのMLパワーとは思えない剛性感のベリーは30g程度のメタルジグでは全くパワー負けしない。
MAXウェイトを越えた40gのメタルジグでもしっかりと背負って投げれば問題無し。
よつあみのアップグレードPE1号で使用してみたがライトショアジギロッドにPE2号での40gのメタルジグより当然ながら飛ぶ。

キャストフィールに関してまとめると。

・キャストの仕方に気を使うところがあるが慣れさえすれば問題なく飛距離は出せるしむしろ飛ぶ。

・適応ウェイトは広いがロッドが力を発揮するのは20g前後から。

・MAXウェイト35g以上の40gのメタルジグでも負けること無くキャスト可。

と言ったところ。
但しこのロッドのテーパーデザインとパワー、張りの関係上、飛距離を出そうとすればするほど腕、肩、腰への負担は大きくなります。
軽いテイクバックで曲がってルアーを飛ばしてくれる楽なロッドとは違うので注意が必要。


・テーパーアクション、操作性


上でも散々述べているようにテーパーデザインはファスト寄りのレギュラーファストテーパー。
しかしブランクのパワー、張りが強く10g前後のルアーではティップが入らずアクションはつけづらい。
ここでもキャストフィール同様扱い安いのはティップが働く20g前後のミノーから。
すなわち120㎜前後から140㎜の中~大型ミノー、巻き抵抗の大きいシンペン等。
これくらいのプラグになるとジャークを入れた時ティップが働き適度なダート、平打ちを演出出来る。
24g以上の鉄板のリフト&フォールやジャーク、30g前後のメタルジグのワンピッチジャーク等はテーパーデザインも手伝い実にやりやすい。
一般的なテーパーデザインのシーバスロッドではベリーが入ってしまってシャクれない40gのメタルジグでもベリーが負けること無くシャクる事が可能。

テーパーデザインがテーパーデザインだけに縦方向のアクションへの適性は高いですね。

35gのシンカーを使ったテキサスやジグヘッドでのハタ等のハードロックフィッシュ狙いにも使ってみましたがブランクにパワーと張りがある上ベリーが絶妙に持ちこたえくれるのでヘビーウェイトのシンカーやジグヘッドへの適性が高くフッキングもしっかりと決まり9.6フィートと言うレングスも相まって根に張り付かれること無く一気に浮かせれる事が出来ました。


・感度、フッキング


感度に関しては硬いシャキッとしたファストテーパーのだったらかなりいいのだろう・・と思ったら正直それほどでもない。

恐らく全体に細く作られている分、強さを出すのに肉厚に巻かれているブランクスのせいで薄巻きの高弾性ブランクスのロッドよりも反響感度が出にくいのか特筆するほどの感度と言う事はないです。

それでも9.6フィートと言うレングスのロッドとしては十分な感度は有してるので心配するほどの事はありません。
当然ながら入門ロッドや中価格のもやっとした感度の鈍い同レングスロッドより悪いなんて事はないでしょう。

感度の質としては乾いた硬質な「カッ」とか「ガガッ」とかではなく太く芯のある「コッ」とか「ゴゴッ」と言った感じと言いますかw
なんとも擬音で分かりづらい例えですがそんな感じ。

そう言う厚みの感じられる太く硬い感触のブランクスだけあって魚の乗りの良さと言う点もそれ相応で一般的なナイトシーバスで使うようなMLパワーのシーバスロッドと比べるとティップにパワーがある為魚自体が軽く重量の無いセイゴクラスのバイトではティップが入らず弾きやすい。

と言うかわざとそう言うテイストに作られていると言った方が良いでしょうか。
このロッドでバイトを弾かずに乗せやすくなるサイズは50㎝以上のサイズ。
そのサイズでもついばむようなショートバイトでは無くしっかり吸い込むようなバイトが望ましいのですが50㎝クラス以上になると本当にフッキング率が上がる。
場荒れするしフッキングしたくないセイゴのバイトはスルーするけどバイトに重みが加わってくるフッコ、スズキサイズのバイトは絶妙に拾って弾きにくい。

もちろんショートバイトはすべて弾いてしまうのかと言えば中にはフッキング出来る事もあるでしょうがこのロッドの性格上そう言うサイズやバイトが出るようなシュチュエーションでの使用は想定して作られてないでしょう。
そもそもセイゴなんてフッキングしてもふっ飛んで来る位のパワーがありますw

このロッドがいきるのはセンシティブな状況下の河川や湾奥、バチ抜けと言うシュチュエーションでは無くコノシロや落ちアユ等に代表される強いベイトに付いたコンディションの良い良型のシーバスを狙うシュチュエーション。

つまり晩秋から初冬にかけての落ちアユパターンや産卵前にコノシロ、マイワシ等の大型ベイトに付いて荒食いしているシーバスを狙うストロングなデイシーバスやナイトシーバス用のロッドセッティングと言う事ですね。

操作性の時にも書きましたが120㎜前後から140㎜前後の中、大型ミノーや20~28g前後の鉄板バイブを太い流れの中で使用してもティップが負荷に負けず耐え、良型の強いバキュームでやっとティップが入り張りの強いベリーがしっかりと硬い口にフッキングを決める。

そう言うイメージ。

セイゴ、フッコなんてお呼びじゃない良型、ランカーハント専用ロッドと呼べると思います。


・パワー、ランディング


もう言うまでも無く強い。

何度も言いますがML表記のパワーではなくむしろ他社のM、下手をするとMHクラス。
魚をかけた後のベリーからバッドにかけてのリフティングパワーは凄まじく背中にスレ掛かりになった63㎝のマゴチのランでもベリーにまだ余力がある程。

バッドを働かせてくれる様な魚となると産卵前のグッドコンディションなランカーシーバスかランカーヒラスズキ、65㎝以上のワラサやメジロ位のものでしょう。

因みに40㎝程のシオや45㎝程のツバス、40㎝程のオオモンハタ等ロックショアでのライトショアジギで釣った魚では勿論相手不足でした。

シーバス(マルスズキ)は最低70㎝を越えなければリフティングパワーも試せない感じ。
竿を立ててるだけで浮いて来てしまうので強引にやりとりしてしまうとバラシが多くなるでしょう。

セイゴ、フッコクラスなんて言わずもがな。

ただ、このパワーはランカーサイズのシーバスを橋脚やテトラ、磯際等潜られてはマズイシュチュエーションで一気に引き剥がし浮かせるには強い味方。

まさしくランカーハント用ロッドと言う感じ。


・総括


見た目のロッド径の細さ、MLパワー表記の割りに硬くパワーがあるのでシーバスロッドとしての適性は繊細なバイトを拾うナイトシーバス用と言うよりも秋の鉄板やブレードでのデイシーバスや大型ミノーやシンペンを使用した落ちアユパターンから初冬、産卵前の太ったランカーシーバス用。

9.6フィートと言うレングスの為、磯やサーフで使うには若干短く中途半端な感じを受けるがテーパー、パワー共に40gまでのメタルジグやシンカーを使ったライトショアジギやハードロックフィッシュ、フラットフィッシュ狙いにも十分通用する。
ある意味秋から冬にかけてのショアキャスティングマルチパーパスロッドとして使えるかも。


アレス夢追トルザイトRV906ML