志摩尾鷲熊野でアジ アオリ シーバスを追いかけて

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アルジェントプロトタイプ 942ML インプレ

今回のロッドインプレはグラファイトリーダーのシーバスロッドアルジェントプロトタイプ942ML。

アルジェントプロトタイプ インプレ

グラファイトリーダーと聞くと現在はマイナーなイメージを持つ人が多いかも知れないが旧オリムピック、マミヤ・オーピー時代から数えると今は亡きダイコーと同じく自社釜や設備を持ち国産ロッドを自社製造できる数少ない老舗メーカー。
新生オリムピックになってからは自社ブランドだけでなくロッドの製造設備を持たないメーカーのロッド製造を請け負う事が多いようでエバーグリーンのロッドの製造もここ。

昔バス釣り少年だった自分がコツコツとお小遣いを貯めて初めて買った2万円以上の竿はマミヤ・オーピーのハンティングシャフトボロンだった事もあり個人的に思い入れが強くソルトルアーを始めてからのロッド選定にも自然と触手が伸びる事に。

そんなわけでオリムピック、グラファイトリーダーのロッドは初代アルジェントから16アルジェントプロトタイプ、初代フィネッツァ、初代カラマレッティから16スーパーカラマレッティまで色々と使って来た訳だが総じて言えることは自社釜持ちのカーボン製品(ゴルフシャフトからロッドまで)製造メーカー故のコストパフォーマンスの高さが素晴らしく最新のカーボン素材やリールシート、ガイドを積極的に採用しながらも他メーカーの同クラスロッドよりも低価格と言うのを日本製で実現しているは流石としか言えない。

今回インプレをする16アルジェントプロトタイプも当然コストパフォーマンスは素晴らしくまさしくお値段以上の価値のあるロッドに仕上がっている。


まずはロッドスペックから。

16 アルジェントプロトタイプ GARPS-942ML

●Length(ft/m): 9'4"/2.85
●Power: M-Light
●Action: Regular Fast
●Weight(g): 133
●Close(cm): 146
●Top Dia(mm): 1.7
●Butt Dia(mm): 12.9
●Section(pcs.): 2
●Lure(g): 7~32
●P.E.Line(号): 0.6~1.5
●Carbon(%): 99.9

●VSSリールシート
●チタンフレームトルザイトリングKガイド採用(トップガイドのみSiCリング仕様)
●「“トレカ ”T1100G」と「“ナノアロイ ”技術適用マトリックス樹脂」を組み合わせた高性能プリプレグ(炭素繊維樹脂含浸シート)

Made in Japan

と言う事でスペック見ただけでもうこの価格で詰め込めるだけ詰め込みましたみたいな2016年当時の最新カーボン素材と技術、ガイド、リールシートのオンパレード。

東レ先端素材「T1100G」をメインにバットセクションには「クワトログラファイトクロスXX」、「ケブラーグラファイトクロス」、「G-MAPS製法」(PAT.)をプラスし軽量かつ高強度のブレの少ないブランクに仕上がっていてガイドもチタン製の最新KRガイドのトルザイト仕様にトップガイドはアロワナガイドのSICと言う贅沢な仕様のブランクに負けない大盛っぷりでその軽量でブレの少ないブランク特性をしっかりと生かしている。

16アルジェントプロトタイプ インプレ
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実釣インプレ

操作性

最近のシーバスロッドらしく操作性を意識したグリップの短めのレギュラーファストテーパー(ミディアムファストテーパー)に仕上げられており9.4フィートと言うレングスに似合わず133gと軽量。

当然その代わり有効レングス長も長い為ロッドを立てると先重りは少しあるものの9.6レングスのロッド(ラテオQ、レガーロ、レイヴン)と比べても優秀。
ロッドを立ててのラインメンディングやアクションを頻繁にする釣りでも疲れにくい。

上記の通り比較的短めのグリップ長の為グリップエンドはファイト時最小限脇に固定出来る長さだが基本的に河川でのウェーディングやサーフでのゲームがメインのロッドと言う事もありガチガチのパワーファイトをする訳では無く必要十分。
自分は河口やサーフでのナイトヒラスズキやシーバスに使用しているが俊敏に追従し魚の引きをいなすティップ~ベリーに綺麗に曲がり連動しながらもしっかりと粘り支える余力のあるバッドのお陰でロッドを立てれば自然と魚を寄せてくれる感覚で今の所ランディングで困った事は無い。
遠浅や荒磯等強引にストラクチャーから引き剥がさなくてはならないようなシュチュエーション以外は問題無いと思う。

飛距離

一見9.4フィートMLパワーのレギュラーファストテーパーと最近のシーバスロッドのスタンダードみたいなありふれた仕様ではあるがこのロッドのブランクは不思議と更にキャスト精度的には一段短くキャストにおけるパワー的には一段強く感じられる。
実売2万円前後のロッドに多いコストを考えてかブランクに上乗せで無理に違和感あるガイド素材やサイズ構成にしていないのは勿論だがSicに比べて同じ内径でも一回りガイドとリングサイズを小さく出来るトルザイトも効いているのかキャストは軽快でティップの収束も早く無理に整流されないラインは抵抗を受けないためか気持ちよく出ていく。

飛距離重視のテーパーデザインと言うわけでは無いのに下は7g前後のフィール70やスーサン、上はオーバースペックな40gのメタルジグまで見事なキャスビタリテイを発揮。

最適ルアーウェイトはシンペンは24gまでミノーは17g前後14cmまで、バイブレーションは20g前後までが気持ちよくキャスト可能。

感度

ナノアロイを適用しているトレカT1100G(33t)がメインと言うことで40tや50tカーボンをメインに多用したみたいな超高弾性ブランクでは無いが流れのヨレ等の潮流変化の感知能力は秀逸。
シャッキシャキのハイエンドロッド程ハッキリとバイトを拾うわけでは無いが7g前後のルアーを使ったラインテンションをほとんど張らない流しの釣りでも小さなバイトをバイトとして拾える高感度。
バチ抜けやサーフや地磯でのメバルのバイトやマイクロベイトパターンのヒラスズキのついばむようなバイトもしっかり拾える。


総評

実売3万円前半の価格帯のロッドとしては破格のスペック。
他社の同価格帯と比べてコストパフォーマンスは断トツで高い。
レギュラーファストテーパーの操作性の高いロッドで河川や干潟、サーフのウェーディングゲームに最適。
ストラクチャーのキツイ荒磯以外なら70前半のヒラスズキやワラサ程度の青物でも復元力のあるバッドで楽に寄せる事が可能。

初心者向けロッドからの乗り換えのみならずベテランアングラーの次の選択肢としてもオススメの一本。

16アルジェントプロトタイプ