0.2号の8本編みPEライン、バリバス スーパートラウト エリアインフィニティPE X8のインプレ&レビュー。
2019年12月に発売されたバリバスの最高級エリアトラウトPEライン。
注目すべき点はやはり8本編みとしては珍しい細い番手の0.2号がラインナップされていると言うところ。
2018年に先んじて登場した最高級ライトソルトゲームPEラインのライトアバニ ソルトウォーターフィネスPE X8にも0.2号があるものの150m巻きしかラインナップされておらず定価も9500円と言うなかなか手が出しにくいプレミアム価格。
それに比べてこのエリアインフイニティPE X8は75mと長さも半分だけど価格も5400円とほぼ半分で何とか試してみようと思えるギリギリのお値段。
どちらにせよバリバスの最高級PEラインなのでコスパを重視して買うラインではないですが8本編みの0.2号を体験してみたく導入してみました。
まずは恒例のアップのライン画像。
確かに8本編みだけあって細かく密に編み込まれていて表面がなめらかな印象。
細さも上のアップグレードX4 0.2号と比べてもほとんど同じ径で0.2号表示のクセに0.3号、下手したら0.4号に近い径だったりするような表示だけのPEではなく問題なし。
触った感じは上のアップグレードX4 0.2号と比べて硬質なコーティングがされていてハリが強い感触。
とりあえずしっかりと0.2号にふさわしい細さに仕上がっていてひと安心。
では問題の実釣での使い心地はと言うと。
飛距離、ライントラブル
自分がこのPEを導入する上で一番期待していた飛距離。
0.2号の細さな上にライン表面が滑らかに仕上がる8本編み仕様。
実際の細さが同じなら同じ0.2号の4本編みよりも飛距離が見込めるだろうと期待しての購入だったのですが・・・。
5ヶ月間使い比べた結果アップグレードX4のほうに軍配が。
違いは恐らくコーティングと超高密度完全8本撚りによるラインのハリの強さ。
使う前からコーティングが強めのPEだとは思っていましたが耳障りな程ではないもののガイドを通る時のライン放出音が大きく如何にも抵抗がかかって飛距離を落としている印象。
こなれてコーティングが程よく落ちて来たら改善されるだろうと5ヶ月間使い続けたましたがコーティングだけでなく編み込み方法も効いているのか依然としてハリがあってそこまで飛距離が伸びた感じはしない。
当然、糸抜けは使用しているリールのスプール径とロッドのガイド径や位置等のセッティングも関係するので所有しているロッドで代わる代わる試してみました。
糸抜けが良く放出音も気にならず飛距離が伸びたのはやはり口径の大きいガイドを搭載したモデル。
月下美人AGS →ブルーカレントTZ/NANO→トーナメントドライブ→宵姫華→ヌーボコルトプロトタイプ→コルトUX
(目標物に対してのジグ単1gでの着水位置比較結果)
ロングレングスの宵姫華610ULがブルカレ62TZ/NANOより飛距離が落ちる結果だった事からもやはり軽量化の為極端にガイド径を小さくしてあるロッドでは糸抜けが影響して飛距離が出にくい結果に。
同メーカー製のトーナメントドライブはガイド位置のセッティングが関係あるのかそこまで抵抗なく飛んだのが印象的。
まぁと言ってもブルカレからヌーボコルトプロト612ULまでは飛距離に突出した違いはなかったのですが目に見えて相性が悪かったのがコルトUX572UL。
4本編みでコーティングも程々で柔らかい仕上がりのアップグレードX4 0.2号を使用していた時には気にならなかったのですが明らかに糸抜けが悪く飛距離も落ちる結果に。
5フィートクラスのロッドでバットガイドまでの距離も短い為43㎜口径のダイワ旧2000番スプール(15イグジスト2003F、08月下美人2004、07ルビアス2004)とは相性が悪いのかもしれません。
40㎜口径のLT1000や42㎜のLT2000スプールの方がバットガイドでのライン干渉が少なくなり飛距離の低下が解消される可能性がありそう。
ライントラブルに関しては使い込んでコーティングが落ちてきても編み込みがバラけて柔らかくなりすぎることも無くハリが保たれているので悩まされるような事はない。
アジングどころか釣り自体始めたばかりの初心者と一緒にアジングに行く機会があったのでコルトUX57と07ルビアス2004のセットを貸して0.8gと1gのジグ単を使用してもらいましたがノートラブル。
ラインメンディングを出来る人なら余程の悪条件ではない限りライントラブルに見舞われる事は無さそうです。
操作性、感度
硬さを感じる程のコーティングと超高密度完全8本撚りにより水切れ良くダイレクトな操作感。
主に0.5g~1.5gのジグ単を使用しましたが4本編みのアップグレードX4と比べて風や水流による糸フケが出来にくくエステルやフロロ、シンキングpe程では無いものの潮流の強い場所でのボトムへのアプローチがしやすい。
バイト感度に関しても操作感同様優れていて水中でのたわみが少ないためラインが直線になりやすいくダイレクトに硬質な感触でアタリが伝わる。
純粋なpe8本編みなので恐らく比重は0.98前後のはずですが密編みで真円に近く仕上げた上にしっかりとしたコーティングを施しているのが効いているのかスッと水中に消えていく点が素晴らしい。
強度
AVE LB.5.6表記 (㎏換算すると平均強力2.54㎏)
プレミアムラインらしくMAX LB. (最高強力)表記でお茶を濁すような事はしておらず好感触。
実際に2.54㎏辺りで切れるかまでは試していませんがアジングで40cm位のシーバスや35cm程のヒラセイゴを抜き上げた際に切れる事はありませんでした。
もちろん尺前後のアジの抜き上げは全く問題なし。
8本編みと言うことで原子が細く4本編みよりスレに弱いイメージですが意外な程スレに強くホンダワラに潜ったシーバスをPEが擦れた状態で強引に引っ張りだしても切れる事がなかったのには驚かされました。
総括
バリバリのエリアトラウト用フラッグシップPEらしく飛距離、操作性、感度、強度共に上質に仕上げられていてアジングゲームでの使用に置いても純粋なPEライン中最高峰の使用感。
ラインカラーがエリアトラウト用とあってブラウン系なのでナイトゲームでは視認しにくいですがそれを差し引いても十分にオススメ出来るPEラインです。
これならアバニ ソルトウォーターフィネスPE X8も購入してもいいかなと思える出来でした。
飛距離に関しては後日1000番クラスのリールで再評価したいと思います。