志摩尾鷲熊野でアジ アオリ シーバスを追いかけて

三重県伊勢志摩尾鷲熊野を中心にアジングエギングシーバスヒラスズキ青物ハタショアマダイ果てはサツキマスまで釣りとハンドメイドルアー製作ブログです。

2020 熊野川 サツキマス釣行

前回の熊野川釣行から約二週間、ソメイヨシノの開花も始まり4月も目前に迫ろうとしている3月最終週今シーズン2度目となるノボリ、サツキマス釣行に熊野川を訪れました。

熊野 桜

前線の影響で前日から降り続いている雨での増水を期待しまず最初に向かったのは熊野川下流域の大淵エリア。
山々を彩っていたクマノザクラは若葉を芽吹かせ桜の主役はソメイヨシノへと移り変わり水面に色を落としている。

前回シーバスを釣ったポイントの悠々と水を蓄えるフォレストグリーンの大淵は雨の影響でさらに濁りを増していて今回もサツキマスよりもシーバスの可能性の方が高い雰囲気ではあるが前回の稚鮎の遡上具合と過去の実績からやはりここは外せない。

ようやく夜の帳がおり水面が目視出来る明るさになった頃合いで水辺に降り立つと前回同様時折「バシャッ」と言う補食音を伴ったライズが忙しなく散発していてそのほとんどが本命ではないのはわかっていても気持ちを高ぶらせる。

この日も最初にキャストするのは本命、外道問わず高実績を叩き出しているジグスプーンのシーミッション12g。

ライズが起こりそうな稚鮎やハク、シラウオ等のマイクロベイトの群れの波紋を目印にキャストを繰り返し表層直下をトレースしてくると数投ですぐに反応が。

「ゴンッ」と引ったくるようなバイトで幸先良く食ってきたのは前回より少し小柄なシーバス。

熊野川 シーバス

ランディング直前まで派手にエラ洗いを繰り返したので一瞬ヒラかと思ったが体高の高いグッドプロポーションのマル。
本命ではないものの湾奥で釣れるひょろ長いセイゴやフッコサイズのシーバスと同じ魚とは思えない美しい魚体に魅せられる。

ついついサツキマスを狙っている事を忘れて専門に狙ってしまいたくなる程この川のシーバスは魅力的だがそこはぐっと抑えて本命狙いでキャストを再開。

続けてジグスプーンで続々と遡上してくるベイトの群れを中心にキャストを繰り返していると今度は太い流れから反転流に抜ける瞬間に「グンッ」とバイト。

今度こそは本命か!?とスィープに巻き合わせを入れ寄せに入ると首降りはあるもののエラ洗いは見せないファイト。
本当に本命かも??早く姿を見たいと言う衝動に刈られて強引にロッドをリフトして寄せようとした瞬間「フッ」と竿先から生命反応が消え痛恨のバラシ。

姿を確認しようとあまりに先走りすぎたのが失敗だったが姿を確認出来ていないのもまた悔しい。
エラ洗いでバレたのなら正体も一目瞭然で本命でない分それほど悔しくないのだがやはり焦りは禁物と反省。

バラシの余韻を引きずりつつキャストを再開しているとベイトの遡上に合わせてかライズも上流に広がり始めたのでそれを追いかけるように移動。

チャラ瀬に膝まで浸かりながら対岸に沿って流れる太い流れにジグスプーンを打っていくがアップではレンジが入りすぎる為若干小型のヘビーシンキングミノー、シルバークリークミノー61sに変更し連続トゥイッチでアプローチ。

ジグスプーンよりも早いスピードで反射的に食わせるイメージで太い流れを探ってくるとグッとルアーが重くなり図らずながらのスレがかり。

稚鮎

稚鮎の群れにミノーを寄せすぎるとよくある事で可愛そうな事をしたがこのサイズでも香魚と呼ばれるだけのことはあってほのかにスイカを思わせる香りが鼻腔をくすぐる。

シルバークリークミノー61s サツキマス

使用しているシルバークリークミノー61sもほぼ同じサイズ感でまさにマッチザベイト。

しっかりとサツキの鼻先にルアーを届けられれば反応はあるはずと集中力を高めて岩盤に水流がぶつかる荒瀬からの落ち込みまで釣り上がるが反応は得られない。

今度は更にレンジを深くしつつじっくり誘う為ミッドダイバーのチェリーブラッド75MDにチェンジし流れをドリフトさせながらダウンに流しチャラ瀬とのブレイク際をアップに遡らせてくる。

何度か立ち位置を変えながらアプローチするが反応がないので次は流れの強い岩盤側にルアーを流し込みアプローチ。

立ち位置の関係上狙いたいポイントを上手くトレースできないがしつこくアプローチしていると岩盤際を遡るように泳がせてきたチェリーブラッドの後ろにギラッギラッと蛇行するように追尾する魚体が。

ピックアップまで後3mもない中での待望のチェイス。
何とか口を使わせようと連続トゥイッチとダートで誘いをかけるとスイッチが入ったのか狂ったようにルアーにジャレついてくる。
残りの距離はロッド一本ちょっと、ヤツがこちらに気づくのが先か針にフッキングするのが先か・・・。
食え食えと念じながら夢中にロッドを動かすが遂にルアーは目の前まで戻ってしまい万事休す。
と思ったが幸いにも膝上まで立ち込んでいるにも関わらずサツキはまだこちらの存在に気づいていない様子で今にもフッキングしそうにジャレついてくる。
まだいけるか!?と穂先で八の字を描いて最後の悪あがきを試みる。
すると急に進行方向を変えてブリブリと泳ぐミノーに刺激されてか口を開いて襲いかかって来たと思った瞬間、水中に銀鱗がグネグネと踊りようやく執念のヒット!

が、ティップに伝わるサツキの感触にアドレナリンが噴出したのもつかの間ランディングネットに手を伸ばす間もなく針がかりが悪かったのかルアーは宙を舞いフックオフ。

手中に収めたと思われたサツキは銀鱗を輝かせながら水中へと戻っていきしばし放心。

気を取り直し再びキャストを再開するも一度フッキングしたサツキが再び食ってくる事等あるはずもない上に個体数が少ないだけあって他の個体が同じポイントに入っている事もない訳で当然ながら無反応。

ひとまず休憩がてら他のポイントを覗きに行くことに。

上流に向かって車を走らせる事数十分。
次第に川幅が狭まりガレ場が多くなり長年の大水によって形作られた谷の表情はより険しいものになっていく。

熊野川

さすがに4月直前のこの時期ではここまでは遡上していないだろうが念のため稚鮎の存在を確認しがてら降りてみる。
ダムの放水による濁りで観察しにくいがやはり稚鮎の姿は無く確認出来るのはヨシノボリやゴリの類いのみ。

恐らく今年もシーズン真っ只中の4月後半にはここより上流にも遡上が見られるはず。
まだまだ熊野川としては中流域に入った所ではあるが平地を流れる河川と比べるとまるで違うロケーションは何度訪れても圧巻。
もはや渓相といっても差し支えない様相を見せている。
この絶景の中サツキマスを追いかけられる時期が待ち遠しい。

一通りポイントをチェックし終え再び車を下流に向かわせ走らせ遡上のありそうなバラシのあったポイントの少し上流へ。
まだ潮の満ち引きが効いているエリアの為可能性は高いはず。

瀬に立ち込み瀬尻をかすめるように今年リリースされた注目のラパラの新作、カウントダウンエリートをダウンにドリフトさせながら送り込んでいく。

すると数投で竿先に違和感。

カウントダウンエリート

これは・・・と回収すると案の定の稚鮎。
朝一のポイントから数キロと離れたいないので当然と言えば当然だがやはりいた。
サツキマスもこのポイントの何処かにはいるはずと立ち位置をずらしながらアプローチを繰り返す。

日中と言うことで遡上待ち狙いで散々キャストを繰り返したが太陽も傾きはじめたしそろそろ最後のポイント移動をと考えはじめた頃唐突とその瞬間は訪れた。

瀬尻へとほとんどラインスラッグを取るだけのリーリングでドリフト気味に瀬尻に送り込んだカウントダウンエリートがフルダウンの流れを受けきって動きを激しくしながら遡上しだした瞬間「グンッグンッ」と穂先を押さえるバイトでヒット。

かなりの遠方で魚体を確認出来ないが体をくねらせるようなファイトは恐らく本命、サツキマス。
今度はバラすまいとレイズ75MLの柔軟なしなりを生かしつつドラグも出しながらフルリーリングで寄せてくる。
今度はしっかりとフッキングが決まっていてバレそうにない為岸まで誘導してランディング。

2020 サツキマス ノボリ

今シーズン2回目の釣行でのようやくのサツキマス。
勿論2回の釣行でようやくと言うのは憚られるような魚だがそれくらい待ち望んだ魚。
数年前に釣り上げた魚体よりいささか小型で長良川で言うところのサボリと言った風体だが自分にとっては十分なノボリ。

長良川 サツキマス

逃げられないように厳重にストリンガーに繋いで美しい銀鱗をしばし見とれる。
同じポイントを遡上待ちで粘って捕った一匹。
もしかしたら他にも遡上してくる魚がいるかもしれないと一瞬都合のいい考えが過るがもうこの一匹で満足と言う自分もいて考えを振り払う。

次はシーズンが本格化してからあの絶好の渓相の中で出会おうと終了する事に。

帰り際ライズが気になった上流ポイントをもう一度覗いて帰路に着きました。

熊野川 観光